多くの人は、写真にキャプションを付けるようなつもりで動画モデルにプロンプトを書きます。「ビーチにいる犬、シネマティック、4K」といった具合に。そして、なぜ結果がストック映像のように感じられるのかと首をかしげるのです。それを解決する発想の転換がこちら。画像を説明するのをやめて、ショットを演出しましょう。Seedance 2.0は映像制作の言語で学習されており、少しでも演出を与えれば、不気味なほど忠実にそれに従います。
カメラで幕を開ける
プロンプトの最初の言葉が、クリップ全体の文法を決めます。「スローなドリーイン」「手持ちのトラッキングショット」「固定のワイド」「クラッシュズーム」。どれを選ぶかで、フレームに何が映るかを言う前からエネルギーが変わります。あなたが選ばなければ、モデルが代わりに選びます。そしてたいてい、無難な選択になるのです。
ライティングは本気で
「ゴールデンアワーの逆光」。「実用ランプ1灯だけ、あとはすべて闇に沈む」。「ネオンのリムライト、濡れたアスファルト」。ライティングは、たった一文で世界一コスパの高い演出になります。そしてそれこそが、AIっぽく見えるクリップと、意図を感じさせるクリップの分かれ目でもあります。
セリフはクォーテーションで囲む
ダブルクォーテーションで囲んだものはすべて、話されるセリフになります。唇は同期し、声はキャラクターに合わせられます。15秒のクリップにとって、気の利いた一言はどんな映像的な装飾よりも効果的です。人が実際に話すように書きましょう。
説明せず、リファレンスで
動画にあなたの顔・商品・楽曲が必要なら、それを添付しましょう。犬を40語で説明しても、[Image1]とタグ付けした1枚の写真には決してかないません。言葉は、リファレンスでは伝えられないもの、つまり動き・雰囲気・タイミングのために取っておきましょう。
同じ一息で音楽も付ける
音声は映像と一緒に生成されるので、こちらも演出しましょう。「カットと同時に重低音のスコアが入る」「ルームトーンと雨音だけ」「ダサい90年代風のジングル」。無音もひとつの選択です。望むなら、そう指定しましょう。
24時間営業のダイナーのカウンターの奥にいる[Image1]へのスローなドリーイン、実用ランプ1灯、立ちのぼる湯気。彼女がコーヒーを滑らせて「レンダーキューでも見てきたみたいな顔してるね」と言う。ルームトーンだけ、そして暗転のカットにピアノが一音。
これがこの技術のすべてです。カメラの動きひとつ、ライトひとつ、セリフひとつ、音ひとつ。あとはすべてセンス次第。そして都合のいいことに、そのセンスはもうあなたが持っているものなのです。